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ロシア外務省は16日、プーチン大統領が署名した大統領令に基づいて国際刑事裁判所(ICC)から離脱すると表明した。

 

ロシア外務省はICCについて「真に独立した権限を持つ国際法廷になるという期待に応えられなかった」として効力のなさを批判。「設置されてから14年の間に10億ドル以上をかけてわずか4件の判決しか言い渡さなかった」と指摘した。

 

さらに隣国グルジアとの間で2008年に起きた紛争への対応も批判して、「このような状況でICCを信頼することは到底できない」とした。

 

ICCはこれに先立つ14日に発表した報告書で、ロシアによるウクライナクリミア半島併合について「事実上の占領状態」に該当するとの判断を示した。

 

さらにフランスのオランド大統領は先月、ロシアがシリアで戦争犯罪を犯していると述べ、ICCで罪を問う必要があると発言していた。

 

ICCの広報はロシアの離脱表明について、「各国の主権を尊重する」としている。

 

ロシアの法務情報局によると、同国はICCの設置を定めた「ローマ規定」に2000年に署名したが、批准はしていなかった。ローマ規定は123カ国が批准している。

 

米国もかつて同規定に調印したが、ブッシュ政権下の2002年、国連に対して批准する意図がないことを伝えていた。